さて、田島が所属していた日本水泳連盟は代々木にある岸記念体育館に入っている。64年開催の東京オリンピック時に建てられたものだが、日本のアマチュア競技を束ねる総本山といってもいい。
どの競技もそうだが、連盟や協会の幹部はオリンピックや世界大会で優秀な成績を収めた人間が幹部に収まっている。日本水泳はオリンピックのお家芸、有力選手を多数輩出している。
「連盟は長崎宏子もそうですが昔からゴタゴタが絶えない。現在の水着問題もそうです。お家芸だけにスポンサーや収入事情は他の連盟に比べて豊かですが、お金が集まれば問題も増えます」とは競泳界に詳しいジャーナリスト。
野球では「名プレイヤーが名監督になるとは限らない」と言われるが、それはどのジャンルも一緒のようで......。
田島の芸能界入りへのゴタゴタとその後の不遇な芸能活動に、噂されるような圧力がかかっても不思議ではない内実はありそうだ。
ともあれ、今日も田島は派遣社員のOLとして会社へ出勤する。通勤姿を目撃した人間によると「駅まで自転車通勤なんですけど、すごく速い! びっくりしました」と世界で銀を取った才能はここでは活かされているよう。
が、記者も取材を終えるまで田島寧子のことをすっかり忘れていた。芸能界という華になれなかったのは別の理由もありそうなのだが......。
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